3つの障害児保育

募集職種

【看護師インタビュー後編】病院から地域に飛び込んでぶつかった壁と、出会った家族の変化

医療的ケアシッターナンシー 看護師

増田 暁子/中山 麗美/伊藤 成美/塩浦 弘子

 

こんにちは。医療的ケアシッター ナンシー 事務局スタッフの安野です。

 

医療的ケアシッター ナンシーは、障害のあるお子さんに関わった経験のある看護師がご自宅に訪問し、お子さんの好きなことや伸ばしていきたいことに合わせた活動と医療的ケアを行います。

 

通常の訪問看護では時間が足りずにケアだけで終わってしまったり、親御さんが離れることは難しかったりする中で、ナンシーのお預かりはこれまでになかった取り組みです。

その分、「ナンシーで働いてみたいな」と思う方の中には、ひとりで訪問するプレッシャーや病院とは異なる環境への不安、看護師が療育も行えるのだろうかと気になる方もいらっしゃると思います。

 

そこで今回は、ナンシーで働く看護師のみなさんへ、グループインタビューを実施!

前編記事では応募のきっかけや決め手についてお話しましたが、今回の後編記事では実際に働いてみて感じていることは?入職前に思っていた不安はどう解消されるの?などについてお伺いしました。

前編記事はこちら

 

プロフィール

・増田暁子(アッコ):療育センター3年

・中山麗美(れみれみ):高度治療室(HCU)6年・新生児集中治療室(NICU)2年

・伊藤成美(たっきー):小児脳神経外科・神経内科病棟3年・小児集中治療室(PICU)4年

・塩浦弘子(しおちゃん):新生児集中治療室(NICU/GCU)で6年

 

お子さんの変化は一番のやりがい

安野:ナンシーとして訪問するようになってから、活動内容を工夫したらこういう反応がかえってきたとか、お子さんの変化に気づいたことはありますか?

れみれみ:私の担当しているお子さんは、最初に行ったとき一秒もじっくり座っていられなくて、ずっとずりばいしていたんです。絵本を見せてもすぐおしまいってポイっとしてしまって。それが、まず座れるようになって。座れるだけでもすごいのに、じっと我慢して絵本を読むようになりました。

他のナースからアドバイスをもらって、集中できる環境を作るために関わり方を変えてみたんです。お母さんとちょっと離れる時間を作るとか、まわりのものを全部隠すとか、扉を閉めるとか。それだけで全然変わるんです。「今はこの時間だよ」っていうことが分かるようになって、私たちが来ると自分でテレビを消して。もうナンシーの時間でしょ、ピッて(笑)

アッコ:習慣までつくんですね。すごい。

しおちゃん:成長ってすごいなって思いますよね。

 

ナンシー訪問中の様子(絵本の読み聞かせ)

 

れみれみ:相談支援員さんも、学校の先生やお母さんが「ナンシーの訪問がスタートしてから集中力が上がって、本人の態度も変わってきた」って言っていたって、教えてくれたんです。

安野:継続的な関わりって、すごく大事なんですね。

アッコ:私が担当しているお子さんの中に、ひとり、指がピクピクって動く子がいて、最初はそれが不随意なのか、その子の反応なのか分からなかったんです。でも、フラダンスの音楽を流して一緒に踊ろうって言ってら、すごく反応して。どうしたのかしらと思ってママに聞いたら、もともと在宅で来てくれている看護師がフラダンスを習っていて、踊っているところを見たことがあったそうなんです。

「私、知ってるよ!」って教えてくれてるんだっていう、その小さなサインだとわかったときに、すごく嬉しかった。

他にも、なかなかご家族での外出が難しい子を私がお外に連れて行って、すごく楽しそうな表情の写真をお母さんに送ったんです。直接的な言葉はなかったんだけど、他の訪問看護師にお母さんがその写真を見せて、「この子、こんな顔するんだ」って嬉しそうに話してくれたって聞いたときに、「嬉しい、やっててよかったな」って思いましたね。

しおちゃんそういう言葉や反応をもらえたり気づくことができたとき、やっててよかったって思いますよね。

ナンシーの訪問がご家族にも変化を

安野:他にも、何かご家庭の変化を実感したことはありますか? 

アッコ:そうですね。お母さんから「子どもを看ていてくれるから、お姉ちゃんのお世話ができて本当にありがたい」とか、「昨日は全然寝れなかったけど、ナンシーのおかげでゆっくり休めます」とかいった言葉を聞くと、「ああ、行ってよかったな」って思うし、すごくやり甲斐になりますね。それに、お母さんがポロっと心情を話してくれることもあって。そういうときは、精神的にも親御さんを支えられる存在になれてよかったなって感じるし、看護師って素敵な仕事だなって思いますね。

 

 

たっきー:「自分のための時間があるのが本当にありがたい」って言ってくれるお母さんもいます。 安心してお任せしてくれているんだなっていうのが、親御さんの行動とかからも分かるから、嬉しいなって思いますね。

れみれみ:そうですね。私も、最初はずっと一緒に療育の様子を見てたお母さんが、「ちょっと30分だけ買い物に行ってみます」って言ってくれたときは、すごく嬉しかったです。

安野:安心してくれている、何よりの証拠ですよね。

しおちゃん:ナンシーが来ることで、親御さんが上のお子さんの行事に行けたり、習い事をさせてあげられたりできる、みたいなこともありますね。ナンシーが来ることでお母さんと買い物や公園に行けたり、習い事に行けたりする時に、上のお子さんが「え!行けるの?」ってとても喜んでいて。ご兄弟の笑顔を見ることができるのもとても嬉しいですし、ナンシーの意義をすごく感じます。

 

ナース同士、そして家族と連携して成長

安野:お子さんやご家族とどう関わっていけばいいのかとか、悩みや葛藤もあると思うんですが、そこはどういう風に試行錯誤していますか?

れみれみ:同じお子さんを担当しているナース同士で、たくさん話し合いましたね。

さっきの話にあった、お子さんが集中できるようにするアイデアもそのひとつです。

他にも、これはアッコさんが詳しいから聞いてみようとか、他のナースから参考になりそうな本を紹介してもらったりとかしています。相談しあうと、いろんな人がアドバイスをくれますね。

しおちゃん:それぞれ経験の違うナースたちがたくさんいるから、そこで相談できる。これで本当にいいのかなって悩んだ時も、他のナースが励ましてくれたり。やっぱり、共有できることで、一人ぼっちじゃないんだって感じられますね。

私は、ママたちにもそうした悩みを隠さなくてもいいんじゃないかなと思っているんです。疑問に思ったことも、ママに素直に聞いて、色々なことを教えていただいています!

ナース同士だけじゃなくて、ママやご家族と一緒に考えたりすることもあります 

安野:医療的ケアのあるお子さんを看る不安は、勉強会を自分たちでやってみたりとか、そういうことで軽くなったりしますか?

しおちゃん:医療的なケアに関しては、そうですね。たぶん私が一番、小児分野での経験が少ないんですが、ナンシーにはその「知らないです、出来ないです、教えて欲しいです」を言える空気感がある。そこで、「じゃあ一緒にやろうよ」って言ってもらえたり、「こっち来て一緒にやろうよ」って言ってもらえる。やっぱり、「経験できた」っていうことは自分のひとつのキャリアにもなるから、嬉しいですよね。

アッコ:私はナンシーに来て積んだ経験の方が大きいと感じています。病院では呼吸器の種類もあんなに無かったし、緊急時対応とかも大人の患者さんにしかやったことがなかったから。ナンシーで経験したことが自信になっているっていうのはすごくありますね。

しおちゃん:在宅の環境や状況によって柔軟に対応を変えるとか、病院では絶対に学べないことが多いですね。

たっきー:在宅では、ご家族自身がそれぞれのおうちに合わせて生活しやすいように工夫しているところがあって。今まで私が病院で経験してきたことだけが全てじゃなくて、おうちごとにベストなやり方があるんだって知れたことが最近の学びでしたね。

 

 

アッコ:逆に質問してもいいですか?(笑)病棟での働き方とは違って研修プログラムもこれから作っている段階だけど、その中でも安心して訪問に行けている理由って何かある?たっきー:研修とかは安心材料にはなると思うんですけど、やっぱり現場に行くっていうのが一番吸収できることが多いですよね。

アッコ:自分が習得したい医ケアを行っているおうちに同行したり、ね。

しおちゃん:ナンシーに来て、研修だけでは学べないことを学んでるなって感じますね。実際に先輩たちと一緒に現場を回ることの方がすごく身になるって。ナンシーには、そうやって行ける環境があるから、助かります。

安野:今もまさに訪問しながら、どんどんパワーアップしている感じですね!入職前からここまでの様々なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 

それぞれのご家庭にしっかりと寄り添うからこそ、日々のナンシーの訪問が、本人の可能性を最大限に伸ばすだけではなく、親御さんやきょうだい児へのサポートにつながっていくんですね。

また、ナンシーでは看護師同士で知識を共有しあい、支えあう体制があるので、個別の訪問でも安心して経験を積んでいくことができます。

ナンシーで新しい看護の形にチャレンジするスタッフのみなさんが、日々自分の看護や療育のスキルを磨き上げていることを改めて実感し、とても心強く思いました。

「医療的ケアシッター ナンシー」では、現在看護スタッフを募集しています。

小児看護の経験を活かしたい方、一人でも多くの親子の「やってみたい」を一緒にかなえませんか?

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