~フローレンスの研修・業務委託 事例紹介~ みんなで医ケア児受け入れ隊!

みんなで医ケア児受け入れ隊! ~フローレンスの研修・業務委託 事例紹介~

医療的ケア児を預かるために、どんな準備が必要?

2021年に医療的ケア児支援法が施行されたことにより、徐々に保育園や公立小学校での受け入れが進んできています。初めての受け入れとなると、一体何を準備したらよいのか、何を確認する必要があるのか迷われている自治体や受け入れ先の担当者の方も多いのではないでしょうか。

フローレンスではこれまで、障害児保育ならびに障害児家族支援事業で、2021年度までに延べ287名の障害児・医療的ケア児をお預かりしてきました。

その中で培ってきた知見を、ぜひこれから医療的ケア児に関わる皆様にもお伝えし、お役に立ちたいと考えています。たとえば、研修の開催や、業務委託などの形で現地でお手伝いをすることも可能です。どんなことができるのか参考になるように、今までお手伝いしてきた例をご紹介します。

「医療的ケアのあるお子さんも受け入れたいけれど、どうすればいいか分からず困っている」そんな方の参考になれば嬉しいです。

1. 座学研修

座学研修のイラスト

保育園などで医療的ケア児を預かる際に疑問となる以下のような点についてお伝えすることができます。事前にヒアリングさせていただき、ニーズに合わせて研修内容を設計します。

  • 預かり前にどのような点を保護者と確認するのがよいか
  • 医療的ケア児を預かる上での留意点や、緊急時対応への備えなど
  • 集団保育における配慮

園のニーズに合わせてがわかるイラスト

預かるお子さんに合わせてがわかるイラスト

シーンに合わせてがわかるイラスト

座学研修の事例①

実際に医療的ケアのあるお子さんを受け入れることが決まった保育園の職員の方を対象とし、以下の研修を行いました。

【お預かりするお子さん】
  • 経管栄養を必要とする2歳の重症心身障害児
  • 自分で自分の膝の脱臼をすることがあり、身体がこわばりやすい
【1年目の研修】
  • 医療的ケア児とは何か
  • 遊びの大切さ
  • 保育士と看護師によるチーム保育
【2年目の研修】
  • 受け入れ園児の将来を想定した地域での連携
  • 個別の発達に応じた支援計画といったテーマも追加

座学研修の事例②

認可保育園で働く看護師の方を対象にフローレンスのお預かりの中で以下のポイントについてどのように行っているかをお伝えしました。

  • 災害対応
  • 緊急対応
  • 保護者との連携/書類
  • 欠席お迎え基準
  • 主治医との連携/書類
  • 多職種連携
  • 地域の他事業所との連携

2. 訪問助言

訪問助言のイラスト

座学の研修だけではなく、実際に施設にフローレンスのスタッフが訪問し、お子さんのケアについて職員の方にお伝えすることも可能です。

  • 保護者の方の面談への同席
  • お預かりするお子さんとの関わり方
  • 医療的ケアの手技での留意点

その子に合わせた遊び方がわかるイラスト

保護者との面談サポートがわかるイラスト

ケアの手技レクチャーがわかるイラスト

訪問助言の事例

2ヶ月に1回ほどフローレンスのスタッフが保育園に訪問し、相談を伺ったり実際に先生との関わりを見ながら助言を行いました。

3. 業務委託

業務委託のイラスト

医療的なケアが必要な場面に、定期的にフローレンスのスタッフが訪問し、医療的ケアを担います。

園に常駐してのサポートがわかるイラスト

(小学校・学童での)定時訪問でのサポートがわかるイラスト

スタッフ不足時の一時カバーがわかるイラスト

業務委託の事例① 保育園

お子さんが過ごす場所や必要なケアについて事前に保育園と相談しました。実際のお預かりが始まってからは週2日、9時~16時までの預かり中の医療的ケアをフローレンスの看護師が担当しました。

業務委託の事例② 学童/小学校

普段は学童や公立小学校に通えていても、決まった時間にだけ医療的ケアが必要なお子さんもいます。たとえば中休みと昼休みの時間に導尿が必要なお子さんにあわせてフローレンスの看護師が訪問し、ケアを担当しています。

その他講演

その他講演のイラスト

「実際の受け入れは未定だけど、今後にむけて医療的ケア児について勉強を始めたい」
たとえば医療的ケアって何?どんな生活をしているんだろう?地域にはどういった支援があるのだろう?困ってることはなんだろう?どういったサポートを必要としているんだろう?など、ご要望にあわせて私達の知見をお伝えします。

  • 預かり前にどのような点を保護者と確認するのがよいか
  • 医療的ケア児を預かる上での留意点や、緊急時対応への備えなど
  • 集団保育における配慮

「知る」を広める活動も!を説明するイラスト

このように、様々な場面において私たちのできうる方法で医療的ケア児を受け入れる地域の方々へのサポートを行ってきました。サポートをする中で目にしたのは、ずっとお家で1対1の支援を受けていたお子さんが、保育園に行き始めると表情がみるみる豊かになっていく様子でした。そして、保育園の他のお子さんも「私も喘息で吸入をしたことがあるよ。◯◯ちゃんが吸入しているのも同じってことなんだね」と言葉にするくらい、一緒にいることが当たり前になっていたのです。子ども同士が関わったときの力の大きさを感じています。

初めてのことは不安もあるかと思いますが、「医療的ケア児を受け入れる」と決めたみなさんを応援したい!そんな思いで私たちも直接お預かりするだけではなく、「知ってもらう」活動を行っています。 どんなことができるといいか、私達と一緒に考えてみませんか? お気軽にご相談いただければと思います。

団体概要

こども達のために、日本を変える。フローレンスは日本の子ども・子育て領域に関わる課題解決と価値創造に取り組む、国内最大規模の認定NPO法人です。 日本初の訪問型病児保育事業で2004年に設立し、子どもの虐待、子どもの貧困、障害児家庭の支援不足、親子の孤立の課題を解決するため、多様な保育事業を運営するほか、全国で「こども宅食」「おやこよりそいチャット」「にんしん相談」「赤ちゃん縁組」などの福祉事業と支援活動、政策提言をおこなっています。