スキンシップ&笑顔の意外な効果とは?~フローレンスの保育塾開催レポート~
2022.01.19
新型コロナウイルス感染症の影響により、保育現場では、距離を確保しての保育が増え、またマスクを外して子どもに笑顔を見せることも難しくなりました。
しかし、保育における触れ合いやスキンシップの重要性は変わりありません。
そこで、「体と心を育む”ふれあい遊び”で大人も子どもも笑顔になろう♡」をテーマに保育塾を開催しました!
保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎回異なるテーマで研修を行っています。
今回の保育塾の講師は障害児訪問保育アニー事業部の保育スタッフ・田口友紀子さん。講義は途中、触れ合い遊びの実演をはさみながら、和やかな雰囲気で行われました。
触れ合い遊びの効果
講義のはじめに「普段は当たり前のように取り入れている触れ合いについて、改めて考えてみませんか?」と田口さんからの問いかけがありました。
なぜ、私たちは触れ合いをよく保育や子育てに取り入れているのでしょうか?
「子どもたちが喜んでくれるから」
「自分も子どもも、心地よい感覚になるから」
「みんな笑顔になるから」
こういった答えになる方が多いのではないでしょうか。
実は、触れ合い遊びをすることで、オキシトシンやエンドルフィンといった「幸せホルモン」が分泌されているそうです。
例えば、子どもが転んでしまったら、皆さんは「痛いの痛いの飛んでいけ~」と、ぶつけたところをなでたり、さすったりするかと思います。自然にしていることですが、この時、子どもの脳からは痛みを和らげる効果のある「エンドルフィン」というホルモンが分泌されているのです。
「私たちの手は『魔法の手』なんです!」と田口さん。
また、触れ合い遊びは、子どもの心身の発達や健康の促進に効果があると言われています。
①触れ合うことで子どもたちの五感を刺激し、感覚器官や脳の発達を促すことができます。
②歌や音楽をつけた触れ合い遊びの場合、身体を動かすため、運動能力やリズム感の向上が期待できます。
③人の育ちの土台となる愛着関係の形成に効果があります。
最近では病棟でも、保育士によるベビーマッサージを取り入れているところもあるそうです。
このように、年齢に関わらず誰でも楽しめ、どんな発達段階の子どもにでも効果があるという点が、触れ合い遊びの魅力といえます。
笑顔の効果
触れ合い遊びにはこのように様々な効果があるため、遊んでいると子どもも保育者も自然に笑顔になっていきます。実は、子どもに笑顔で接することが保育者の心身の安定にも繋がるのだと、田口さんは言います。
笑うことには、下記のような様々な効果があります。
①ストレス解消
笑うことで副交感神経が優位になり、リラックスできます。
②免疫力の向上
笑うと免疫細胞であるナチュラルキラー細胞が活性化すると言われています。
③美容効果
表情筋が鍛えられ、血行の改善に繋がります。
「たくさん笑って綺麗でいられると、保育も益々楽しくなるかも!?子どもたちと関わる人がみんないつまでも若々しいのは、笑顔が多いからだと思います♪」と田口さん。
田口さんは「保育の業務に関係なく、疲れた時や今日笑顔少なかったかも?という時には、こっそりおうちで口角上げるだけでもOKです!子どもも大人もみんな笑顔が大好き!笑顔を習慣にしましょうー!」と、参加者に呼びかけていました。
保育のお仕事は自身の感情や周りの人々の気持ちが業務に深く関わってくるため、「感情労働」と呼ばれることもあります。仕事をしている時、ネガティブな気持ちになることは誰しもあることと思いますが、そんな時は少し意識して口角を上げてみるといいかもしれません。
「明日からやってみよう」を言葉にする
最後に、当日の参加者でグループディスカッションを行いました。
まずは、参加者で「コロナ禍における触れ合い(遊び)の現状や困りごと、悩み」を共有し合いました。話し合いの中では「触れ合い遊びを避けていたかも」という意見が出た一方で、「外出が気軽にできないため、室内あそびのレパートリーが足りなくなってしまいました。触れ合いのレパートリーを増やしたくて、今日の保育塾に参加しました」という意見もありました。
中には「子どもに笑顔を見せるために少しマスクを取ったら、知らない人のような反応をされ悲しくなりました。マスクをかけていない私の顔を、私と認識できないようです」という声もありました。
参加者には、お互いの悩みに共感できる部分が多くあったようです。議論に上げられた悩みについて、参加者全員で解決策を考え合う姿も見られました。
最後に、話し合いを踏まえて、それぞれ「明日からやってみよう」と思うことを紙に書いて宣言しました。参加者の皆さんが笑顔で「まずは自分が楽しみます!」等と宣言している様子が印象的でした。
まとめ
触れ合い遊びも笑顔も、どちらも日々、当たり前のように保育に取り入れているため、特に意識していなかったという方も多いのではないでしょうか。
参加者からは「これまでなんとなくで触れ合い遊びをしていましたが、子どもにも保育者にも大事な効果がある遊びなのだと気づきました」「更に触れ合いのスキルを磨いて、子どもたちをもっと楽しませたいと思いました!」といった声が出ました。
保育塾では、普段はそれぞれの現場で働いているフローレンススタッフが、自身の経験や知識を持ち寄り、保育についての意見交換や振り返りを行っています。日々の自身の保育や遊びについてじっくりと考える時間を作り、共に学び、高めあえる場として、これからも充実した研修を行っていきたいと考えています。
フローレンスでは一緒に子どもたちの成長に寄り添う仲間を募集しています。親子の笑顔を妨げる社会問題の解決を目指し、障害児保育を含む様々なサービス・親子支援の活動を展開していますので、皆さまの経験や思いを活かせる現場がきっとあります!
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